2018-09-14
プレスリリース

水素を再生可能エネルギーだけで輸送する小型自律分散自動操船ヨットを発表。「everblue technologies」を設立

再生可能エネルギーで生成した水素を無人帆走して海上輸送することで、水素社会の実現を目指す

everblue sailing boat(仮)

スタートアップのエコシステムを支援するMistletoe株式会社(ファウンダー:孫泰蔵)は、年内に小型自律分散自動操船ヨットを開発するスタートアップ「everblue technologies」を設立いたします。
「everblue technologies」は、水素が貯蔵・運搬に向いていることに着目、再生可能エネルギーを使い生成した水素を、大都市や離島などに小型自律分散自動操船ヨットで海上輸送することで、劇的なコストダウンを実現させていきます。

また小型自律分散自動操船ヨットのコンセプトモデル「everblue sailing boat(仮)」は、会社設立に先駆け2018年9月4日、ドイツ・ハンブルグで開催している国際海運・貿易フェアSMMの会場で発表しました。

「everblue sailing boat(仮)」は、全長約30フィートで船体内には水素自動車を約40回満充填できる水素量を運搬することができる容量4立方メートル、70MPaの高圧水素タンクを備えています。また水中翼を備え、浮上して航行することで風速8m毎秒時の最高速は時速50km、平均速度は時速20kmを目指します。
さらに操縦は、無人で全自動航行する機能を装備し、出発地から目的地へ気象状態や風向きによりルーティングを自己決定していく予定です。

水素の海上輸送は、船団を組み隊列を作って航行をさせる計画です。ヨット数は輸送距離と水素総量に応じて変化しますが、距離300kmで必要ヨット数は40隻と想定。これを5Gネットワーク通信で結び、フリートマネジメントを陸上のオペレーションセンターから行います。

洋上のドッキングステーションは「everblue sailing boat(仮)」の母艦とも言える施設で水素の補給・貯蔵の役割を担います。洋上発電設備の電力を利用して作った水素を貯蔵、「everblue sailing boat(仮)」へ補給することができます。そして運搬された水素を他の洋上燃料電池施設と連携することで電気に変換して陸上の系統に繋げることも可能にします。また将来登場する燃料電池船に直接水素を補給することも想定しています。

このコンセプトモデルは、ものづくりコミュニティを支援するFabCafe、3Dモデルソフト「Fusion360」を提供するオートデスク株式会社(日本法人)のエヴァンジェリストが協力しコンセプトモデルをデザイン化しました。今後レーシングヨットや商船設計を専門とする有限会社エイ・シー・ティーの監修を経て、実際に航行可能なプロトタイプを設計します。

また同ヨットを開発していくにあたり、everblue technologiesでは、バルクキャリアで世界屈指の建造実績を有する常石造船株式会社を傘下に持つツネイシホールディングス株式会社(広島県福山市)とも9月4日付けでパートナーシップを結び、オープンソースプロジェクトとして開発を行っていきます。

そして、その活動の一環として来夏を目標に自動操船ヨットレースイベント「hydroloop challenge(仮)」を開催、企業や研究機関/大学/高専などからの参加を呼び掛けていく予定です。

日本政府は昨年12月に、エネルギー源としての水素の普及に向けた「水素基本戦略」を策定、水素ロードマップで2050年までに水素社会の実現を目標に掲げています。またヨーロッパでは昨今、再生可能エネルギーの発電量が需要を上回るケースが起こりつつあり、余剰電力で水素を生成、貯蔵することで需給バランスをとることに注目が集まっています。

Mistletoeでもeverblue technologiesを通じ、水素社会の実現を目指していきます。

リリースはこちら:http://www.news2u.net/releases/162252

【everblue sailing boat (仮)イメージ画像】
http://bit.ly/2MNMTTZ

【everblue sailing boat (仮)コンセプトビデオ】
https://youtu.be/FR8XiAQ35Yc
<素材&制作協力>
Artist:Akira Wakita
Sound Design : Hananosuke Takimoto
Software Development Support : Masaki Yamabe
科学研究費研究課題24243045

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